ボードゲーマーは重量級ゲームを略して「重ゲ―【おもげー】」と言います。明確な定義はありませんが「一般的にプレイ時間が長い(1時間や90分以上など)、ルールが複雑で要素が多く、戦略性が高いボードゲーム」のことを指します。軽いゲームから徐々に中量級ゲームに移行して来た方にはこの一線が本当に大きなハードルかと思います。今回は軽ゲー好きな亞猫でも「楽しい」と思って繰り返し遊んだ「重ゲ―」を全てを紹介するととんでもない文章量になるので軽く紹介したいと思います。もし興味がわいたら亞猫文化堂やお近くのボードゲームカフェに飛び込んでみてください

ブラス:バーミンガム

人数2~4人
所要時間(目安)120分
対象年齢14歳以上
ゲーム内容舞台は18世紀のイギリス、産業革命の真っ只中にあるバーミンガム。プレイヤーは野心的な起業家となり、この時代の経済成長の波に乗って、巨万の富を築くことを目指します。
何をするの?
運河や鉄道を整備し、自分のネットワークを広げます。
石炭、鉄、ビール、そして陶器や綿などの産業施設を建設し、製品を市場に送り出します。
ライバルより賢く、効率的に行動し、自分の富(勝利点)を最大化することが目的です。
ここが面白い!
「運河時代」と「鉄道時代」の二部構成!:ゲームは前半の運河を主軸とする時代と、後半の鉄道が主役になる時代で分かれており、同じ施設でも建設・得点の条件が変わります。このダイナミックな変化が、ゲームに深い戦略性を与えています。
ビールが超重要!:製品を売る際や、新しい産業施設を建てる際に、ビールが必要になることがあります。このビールを供給できるかどうかが、勝利の鍵を握ります。

なぜ普段ゲームをしない人にもおすすめなの?
美しいアートワークと世界観!
緻密に描かれたゲームボードとカードは、まるで当時のイギリスにタイムスリップしたような気分にさせてくれます。ゲームを遊ぶだけでなく、テーブルに広げるだけでもワクワクします。
運の要素が少ない!
サイコロを振るような運の要素がほとんどなく、純粋にあなたの「考え」と「戦略」が試されます。計画を立てて、それが上手くいった時の達成感は格別です。
深いけど、手番の行動はシンプル!
ルールは奥深いですが、自分の手番でできる行動(カードを引く、施設を建てる、製品を売るなど)はとてもシンプルで分かりやすいので、初めての方でもすぐにゲームの流れに乗ることができます。

まとめ
『ブラス:バーミンガム』は、ただのボードゲームではなく、産業革命という歴史的な舞台で、一流の起業家体験を味わえる戦略シミュレーションです。じっくりと頭を使い、友達とワイワイ議論しながら、歴史に名を残す大事業を成し遂げてみませんか?

テラフォーミングマーズ

人数1~5人
所要時間(目安)120分
対象年齢12歳以上
ゲーム内容時は未来。人類は火星移住計画を進めています。プレイヤーは巨大な企業のリーダーとなり、地球化(テラフォーミング)プロジェクトに参加します。
火星をテラフォーミングするために達成すべきゴールは3つあります。
酸素濃度の向上:大気に酸素を増やします。
気温の上昇:氷を溶かし、快適な温度にします。
海洋の生成:水資源となる海を作ります。
この3つのパラメーターを規定値まで上げるべく、何世代にもわたるプロジェクトを進めていきます。
何をするの?
プロジェクトカードの実行:手札からプロジェクトカードを選び、コストを払って実行します。このカードがあなたの企業の活動そのものです。
例:「温室効果ガスを放出する」「小惑星を落として水を供給する」「森林を造成する」など、科学的でロマンあふれるプロジェクトが満載です!
資源の管理:資金、鉄、植物など、様々な資源を増やし、次々とプロジェクトを成功させます。
タイルの配置:火星のボード上に、海や緑地、都市などのタイルを配置し、火星の風景を変えていきます。
ここが面白い!
企業ごとの個性!:ゲーム開始時、プレイヤーはそれぞれ異なる能力を持つ企業を選びます。これによって、初期戦略がガラッと変わり、毎回異なる展開を楽しめます。
目に見える成長!:ゲームが進むにつれて、ボード上の温度計が上がり、海が広がり、緑の森が生まれます。火星が少しずつ「地球」へと変わっていく様子が目に見えてわかるので、大きな達成感があります。
何百種類ものカード!:登場するカードの種類が非常に豊富で、「次にどんな技術を開発しよう?」と考えるのが最高の楽しみです。プレイするたびに新しい戦略を発見できます。

普段ゲームをしない人でも楽しめる理由
科学的なロマン!
ゲームの背景にあるのは、現実の惑星科学に基づいた技術やアイデアです。「酸素を増やせば温度が上がる」など、プロジェクトの結果が理にかなっているため、まるでシミュレーションゲームを遊んでいるような知的な面白さがあります。
自分の帝国を築く楽しさ!
自分の手番で実行したプロジェクトは、長期的に資源の生産量を増やしたり、勝利点をもたらしたりします。地道な努力が大きな成果につながっていく、成長戦略の醍醐味を存分に味わえます。
勝利点獲得のルートが多様!
テラフォーミングの貢献度以外にも、自分の作った都市や緑地、達成した功績など、勝利点を得る方法がたくさんあります。全員が同じ戦略を取る必要がないため、自分だけの勝ち筋を見つける楽しさがあります。

まとめ
『テラフォーミング・マーズ』は、壮大なテーマ、奥深い戦略性、そして何より「火星を人類の故郷にする」という夢を追体験できるロマンに満ちた傑作です。
SF好き、シミュレーション好き、そしてじっくり考えることが好きな方には、自信を持っておすすめできます。さあ、あなたも火星の開拓者として、歴史に名を刻んでみませんか?

ウイングスパン

人数1~5人
所要時間(目安)70分
対象年齢10歳以上
ゲーム内容あなたは、鳥類の研究家や愛好家です。自然保護区に様々な鳥を呼び寄せ、豊かな生態系を築くことを目指します。
このゲームの舞台は、鳥たちの楽園。北米に生息する実在の鳥たちを、自分のプレイヤーボード上の3つの生息地(森、草原、湿地)に配置していきます。
何をするの?
鳥カードを集める:3つの生息地それぞれに鳥カードを配置します。鳥は全部で170種類以上!美しいイラストと豆知識が書かれており、図鑑を広げているような楽しさがあります。
生息地の能力を起動:手番でできる主なアクションはシンプルに4種類です。
鳥をプレイする(鳥を配置)
餌を獲得する(森の能力)
産卵する(草原の能力)
カードを引く(湿地の能力)

これらの行動を繰り返して鳥を増やし、勝利点(スコア)を競います。
ここが面白い!
連鎖する能力(エンジンビルド)!:このゲームの核心です。生息地に鳥を配置するたび、その生息地の能力が強化されます。一度能力を起動すると、そこにいる鳥たちが持つ特殊能力が次々と連鎖して発動まるで精密な機械のように、効率よく資源を生み出す仕組み(エンジン)を作り上げていくのが、最高の快感です。
美しいアートワークと実在の鳥たち!:ゲームに登場するすべての鳥カードには、精緻なイラストと、その鳥の生態に関する情報が記載されています。ゲームをしながら、自然と鳥類への興味が深まります。
静かなる戦略性!:攻撃的な要素はほとんどなく、自分のボードに集中して戦略を練るのが中心です。しかし、限られたラウンド数の中で、どの鳥を、どの生息地に、どんな順番で配置するかという選択には、非常に深い戦略が求められます。

癒やされる世界観
競争よりも「創造」に重点が置かれており、美しいイラストとテーマが心を穏やかにしてくれます。忙しい日常を忘れてリラックスできます。
簡単な基本アクション
手番でやることはたった4種類。ルールを覚えるハードルが低く、誰でもすぐにゲームに参加できます。
成長を実感できる
自分の作った鳥の「エンジン」が動き出し、1アクションでたくさんの資源や卵が得られるようになる瞬間は、最高の達成感です。
飽きさせない多様性
膨大な種類の鳥カードがあるため、遊ぶたびに新しい組み合わせや戦略が生まれ、何度でも新鮮に楽しめます。

まとめ
『ウイングスパン』で始めるボードゲームライフ
『ウイングスパン』は、「美しいアートワーク」「高い戦略性」「心地よい達成感」が完璧に融合した、まさに現代ボードゲームの金字塔です。
静かに、そして深く、自分の知的好奇心を満たしたい方にぴったりのゲームです。

バラ―ジ

人数1~4人
所要時間(目安)120分
対象年齢14歳以上
ゲーム内容舞台は1930年代。ヨーロッパアルプスの急峻な地形を舞台に、プレイヤーは国際的な建設会社を率いて、巨大な水力発電網の建設に挑みます。
目的はただ一つ、水資源を最も効率よく利用して、最大の電力を生み出し、最も多くの収益(勝利点)を上げることです。
何をするの?
ダム建設:ボード上の川の上流に基礎ダムを築き、その水を貯める導水路、そして下流に発電所を建設します。
水の利用:ゲームの主役は、ボード上を流れる「水滴」コマ。この水滴をダムでせき止め、導水路を通して自分の発電所に流し込むことで、電力を生み出します。
建設機械の管理:ダムや発電所を建てるには、限られた数の「建設機械」が必要です。この機械の効率的な回転(管理)が、ゲームの鍵を握ります。
ここが面白い!
「水は共有資源」のジレンマ!:川を流れる水はすべてのプレイヤーが利用できる共有資源です。あなたが上流にダムを築くと、その水は一時的にせき止められますが、放流すれば下流のライバルもその水を利用できてしまいます。「どこで水を止め、どこで利用し、どこでライバルに譲るか」という、緊張感あふれる水資源の奪い合いが、戦略を熱くします。
ワーカープレイスメントの究極系!:アクションを選ぶためにワーカーを配置しますが、一度使ったワーカーや建設機械は、ボード上の特殊なトラックを一周しないと手元に戻ってきません。この「資材の回収タイミング」を計算するパズル要素が非常に刺激的です。
壮大なプロジェクトの達成感!:自分の計画通りにダムが完成し、上流から大量の水が流れ込んできて発電に成功した時の喜びは格別です。まるで本物の巨大プロジェクトを成し遂げたかのような、深い満足感が得られます。

普段ゲームをしない人でも惹かれる理由
テーマがロマンチック!
巨大なダムや発電所を建設し、自然のエネルギーを利用するというテーマは、知的好奇心をくすぐります。完成した自分の発電網を眺めるだけでも楽しめます。
純粋な思考力が試される!
運の要素はほぼゼロです。すべては、あなたの「計画力」「効率化」「リソース管理」にかかっています。緻密なパズルを解くような思考の面白さがあります。
勝利へのルートが複数ある!
大量の電力を生み出すだけでなく、契約を達成する、特定の地形に集中して建設するなど、勝つための道筋は様々です。何度でもリプレイして、最適な戦略を探求できます。

まとめ:『バラージ』で最高の戦略家を目指せ!
『バラージ』は、テーマの壮大さ、戦略の深さ、そして資材管理のパズル要素が、高度にバランス良く融合した、「重量級」と呼ばれるボードゲームの中でも最高峰の傑作です。

亞猫は、まわりがどんどん重たいゲームばかりをはじめ軽いゲームに付き合ってもらえなくなってきたなか、はじめて5年くらいはこの「重ゲ―」が超苦手でした。説明を1時間くらい聞いて2時間ぐらいプレイして頭を悩ませて終わった結果が最下位とか最悪って思ってました。まぁ単にゲームが下手なんですがそれなら短いゲームを沢山遊んだほうがいいじゃんって思ってましたし、重ゲ―やるひとってなんか誘い方が偉そうなんですよね(偏見w)。たまたまTwitterで見かけた「テラフォーミングマーズ」の全拡張を詰め込んだシートに「かっこよ!」って思ってしまい、のちにこれもコアなファンが作った同人であることを知るのですがその当時はなかなか手に入らなくってやっとの思いで手に入れてからやりまくってから「重ゲ―」への意識が少しずつ変わってきました。「覚えるべきルールが多い」から「この物語にあわせた世界の仕組み」、「長期的な戦略や計画」から「偶然から歴史の積み重ね」、「プレイ時間が長い」から「1度しか体験できない体験を共有できる時間」。書いていてすげー気持ち悪い文章に見えますが『偉そう』に聞こえていた重ゲ―プレイヤーの誘いの中に出てきた言葉はこれだったのかなって思いました。